*

『PS2の様な物で』横手隆のせどりっ放しジャーマン No.2 

誰しも初めての成功体験というものは数多く心に秘めている。

初めてのおつかい、初めての補助輪なし自転車、初めてのちゅう、君とチュウ(I will give you my love)

何にせよ初めての成功の喜びというものは、なんであれ嬉しいものだ。

 

それはせどりの世界でも同じことが言えよう。

 

前回少しお話したが、私は当初オークションで仕入れて古本屋に売って利ざやを稼ぐと言う

良い言い方をすれば斬新、悪い言い方をすれば脳みそが残念としか言いようがない手法でせどり界に参入した。

 

当時を振り返っても当時の横手の思考には辿り着けない。

あれは違う生き物だったんではなかろうか?

 

そんな素敵思考の横手ではあったが、虚仮の一念岩をも通すとでも言おうか。

この手法が成功してしまうのだ。

 

ヤフオクで仕入れたPS2のソフトを古本屋で+200円で引き取ってもらう事に成功する。

「たった200円ではあるが、ゲームをした上で+200円なら最高だぜ!」

と、20代も終わりを迎えようかと言ういい歳した大人が本気で喜んだ。

その日は+200円を祝して自宅で乾杯である。

近所のスーパーでチキンとポテト、飲めもしないのにビールで祝った。

収支でみれば-1500円以上だ、本末転倒も甚だしい。

ここで終われば喜び過ぎのおめでたい野郎で済むのだが、ここで終わっておけばよかったのだが。

ここで終わらないのだ。

はじめての成功は、金額以上のカタルシスと陶酔感を横手にもたらしてしまった。

金額など問題ではないのだ、利益を出したという事にエクスタシーを感じてしまったのだ。

 

変態である。

いや、敢えて言葉を借りるなら

変態という名の紳士である。

おっと通報はやめていただこう、私はまだ服役する気も集英社と泥沼の法廷闘争を繰り広げる気もないのだ。

 

 

話を本題に戻すがこのエクスタシーという奴が非常にやっかいで、一種麻薬の様な感情を産む。

この快感を!この快感をもっとあじあわせてえええええんん!である。

 

もちろん社会的立場があるので言葉には出さないが、当時は四六時中この感情に支配されていた。

仕事中によく感情が爆発しなかったものだと当時の事を思うと冷や汗をかいてしまう。

 

で、よせばいいのにこんな非効率なやり方でなまじっか利益を出してしまうから思考が嫌な発展の仕方をしてしまう。

 

「そうだ、もっとたくさん仕入れれば利益が出るぞ!」

この一言だけなら非常にポジティブであるのだが……。

 

 

前回にもあったが、初めて利益を出した店舗というのはよく買取キャンペーンなるものを行っていた。

3点以上なら買取価格10%アップとかそんな。

 

買取価格10%と言われても買取価格のサジ加減なんて相手次第だ、本来5500円で買い取るものだって

「買取価格5000円でしたけどぉ、10%アップで5500円で買い取ります」

といってしまえば成立してしまう。

 

店側のマッチポンプに過ぎないのだ。

そしてその時やっていたキャンペーンが

「買取商品5点以上、6点目から+200円キャンペーン!なんと11点目から+500円!(但し1000円以上買取査定がついた商品のみ対象)」

だった。

 

当時の横手は小躍りした。

「ひゃっほう!今の俺を祝福しているようなキャンペーンだぜ!」

この底抜けのポジティブさだけは評価していただきたい。

 

ただしこの時の横手も少しだけ知恵が回っていたのだ、それは買取価格について。

前述の通り、買取価格というのは店側である程度自由にコントロールできる。

1000円ギリギリの商品ばかりであれば確実にいくつかは950円とかにするだろう。

 

ちなみにこの時の考えの根拠は

「自分が同じ立場だったらそうする」だった。

つくづく救えない男だ。

 

 

ここまで思いついたんならやめとけばいいのに、その時にでた結論は

「そうだ、買取価格を公開している商品だけを狙い打てばいいんだ!」

だった。

 

例え買取価格が仕入値と同じだったとしても+200円、+500円が数点発生すれば利益になる。

これらを10点、20点用意すればいいのだ!

 

20点販売に成功すれば買取価格で利益が出なくても+6000円!

 

公開している買取価格だったらごまかしようもないだろう!

 

やったぜ!今夜はピザロイヤルハット(LL)だ!

 

そう思い立ってからの当時の横手は連日ヤフオクに貼りついた。

家ではもちろん、仕事中も携帯を駆使して検索しまくった。

 

あの時の比較対象を古本屋の相場ではなくアマゾンの相場にしていたら今頃せどりの眼GAME魂を出していたかも知れない。

それ位真剣に検索したのだ、あんなに真剣になったのは20代では最初で最後だったかも知れない。

 

しかし当然ながらヤフオクでそんな都合のいい商品が早々見つかるわけもなく、時間ばかりを浪費していった。

1円出品の物を見つけた瞬間に希望額まで入札するなどという無知極まりない行為も連発させた。

傍から見たら入札吊り上げ行為にしか見えなかっただろう。

 

その癖落札できないと何故できないのか首をかしげていた、首をかしげるべきは己の行動である。

そんな中、見つけてしまう。

当時は真剣に目から鱗だった、こんないい手があったのか!と感心したのだ。

 

「☆★☆PS2 ソフト 60本セット (商品名)☆★☆」

入札価格26000円  入札0  終了まで24時間

 

商品説明はこうだ。

 

「荷物整理の為出品します。

PS2ソフト60本、一部ケースに傷がありますが再生には問題ありません

内容商品のタイトルを一部紹介

ホニャララララ(例の古本屋の中古買取価格1500円)
ウニャラララ (例の古本屋の中古買取価格2000円)
モニャララララ(例の古本屋の中古買取価格1200円)
ウラララララア(例の古本屋の中古買取価格2500円)

他にも似たような商品を入れております。

あくまでも不用品処分での出品でのでノークレームノーリターンでお願いいたします」

 

 

似たような商品。

似たような商品である。

 

横手の期待値はメーターを振り切っており、脳内はフル稼働で計算を開始していた、

 

以下が当時の横手の思考を再現したものである。

『60本全てが1000円以上の買取になることはまずありえないだろう。

だが半分、半分ならどうだ?

似たような商品があるのであれば半分くらいはそうであっても間違いないだろう。

仮に30本が500円で買い取られたとしても15000円

残りが全て1000円で買い取られたとして30000円

しかも数本はそれ以上の価格がつくことはわかっている。

そしてそれにプラス買取価格キャンペーンだ。

30本であればそれとは別に11000円の価格が付く。

合計すれば……約57000円!?

どうするどうするどうする!?

副収入とかいう奴になるのか?

税務署とか行った方がいいのか!?

寿司か!?焼き肉か!?うわあああああ!!』

 

 

お前が行くべきは税務署ではなく病院だ。

 

 

だがそんな助言をしてくれる相手もおらず、というか誰にも言わずに落札を成功させた。

その時にも同様のエクスタシーが襲ったのは言うまでもない。

 

その時の横手は間違いなく勝利者だったのだから。

そして一日千秋の思いで荷物を待つこと5日、とうとう荷物はやってきた。

横手は開封して商品の数を確認もせずに評価を完了させる。

 

「非常にいい出品者様です!」

非常に残念な思考である。

 

 

そして高ぶる心を抑えながら商品をそのまま古本屋に持ち込んだ!

検品ぐらいすればいいのに!

 

 

店員「全部で8760円になります」

横手「    」 (←好きな罵詈雑言を入れてください)

 

ハッキリ言っておこう、今回は完璧に横手が悪い。

 

 

商品の中身をその時改めて確認してみよう。

商品の30本が説明書なし。

うち10本がケース壊れ、水染み。

そしてタイトルのほとんどが店頭にて500円以下で販売されているものばかりである。

どこの世界で500円で売っている商品を1000円以上で買い取ってくれる店があろうか?

 

いやない(反語)

 

出品者の出し方にいやらしさもあるだろうが、一番のアホは間違いなく買取に持ち込んだ男である。

失意のまま買取レシートを見てみると細かく価格が書いてある。

一反もめんの様に長いレシートに並ぶ10円の数字。

 

 

10円

10円て……。

 

 

そうなればもはやその商品はPS2のソフトではない、PS2の様な物だ。

言いかえれば不要な物質であり、ぶっちゃければゴミだ。

 

店員「どうされますか、ご希望の物だけ買い取る事もできますけど?」

 

一見優しく話しかけてくれる店員さん。

だが「ゴミは持って帰れ」という意味だったのだろう。

 

今この立場であるからこそ分かるが、付属品欠品商品を大量に持ってこられても対処に困る。

断られても文句が言えないだろう。

 

それを値段をつけて引き取ってくれるというのだからいくらか良心的だ。

こう行った時、せめて全て持って帰るくらいした方がお店としても苦労はないだろう。

不用品処分ではなく利益を出すのに失敗したのだ、それくらいしてもバチは当たらない。

 

 

横手はおもむろにこういった。

「全部買い取ってください」

迷惑千万である。

 

 

 

かくして横手の作戦は大惨敗で幕を閉じた。

誰が悪い訳でもない、悪いのはこの男なのだ。

 

悔しかったのでその買取りの金で新品のゲームを買ったが痛烈につまらなかった。

踏んだり蹴ったりである。

 

人生に無駄な努力など存在しないと人は言う。

しかしこの体験、今だから言おう。

これを無駄な努力と言わずして、なんというのであろうか?と。

 


関連記事

am500_pe057

これからは仕入れて貸す時代かも知れない、自己責任で

相も変わらずヤフオクに入り浸ってネタを探す横手ですこんにちわ。 これからのせどりは『仕入れて売

記事を読む

P1090149

コーラせどりで炭酸がうまい

割といまさらなネタかも知れませんが、コーラのネームボトルがヤフオクにて面白い動きをしているようです。

記事を読む

am500_sc053

『遊ぶ金欲しさでやった』せどりっ放しジャーマンNo.1

せどりを始めたきっかけは遊ぶ金欲しさだった。   いきなりのカミングアウトで恐

記事を読む

am500_sc028

古雑誌が金になる。 切り抜きジャック

ジャンプなんか読んでる暇があったら切り抜きなさい! 読切 ハイキュー!! 古舘春一 切り

記事を読む

am500_an014

西銀座で宝くじを買うだけで小遣いになる宝くじ代行

世の中色々な事を考える人がいるものです。   → ヤフオクで 宝くじ代行 の検索結果

記事を読む

al500_an003

『凶器は銃器』横手隆のせどりっ放しジャーマン No.4

三八式歩兵銃。 正式名称 三十八年式小銃 第二次大戦中に日本軍が使用していた小銃。

記事を読む

41EQ73Vr7VL._SL500_AA300_

コンドームせどりで(体の1部が)熱くなる。 サガミオリジナルの本気

【Amazon.co.jp限定】サガミオリジナル 0.01 15個入  

記事を読む

al500_an003

『Iという男と100万円』横手隆のせどりっ放しジャーマン No.3

どちらが言い出したかは正直覚えていない。 だが、Iという友人が不用品を売りたいと考えたのは確か

記事を読む


Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>


41EQ73Vr7VL._SL500_AA300_
コンドームせどりで(体の1部が)熱くなる。 サガミオリジナルの本気

【Amazon.co.jp限定】サガミオリジナル 0.01 15個

am500_sc028
古雑誌が金になる。 切り抜きジャック

ジャンプなんか読んでる暇があったら切り抜きなさい! 読切

3
人の『面倒くさい』を金にする。 ロケーションレンタルという選択肢

こんにちわ、今日も元気に濡れ鼠な横手です。 全く雨が降ると偏頭痛

am500_pe057
これからは仕入れて貸す時代かも知れない、自己責任で

相も変わらずヤフオクに入り浸ってネタを探す横手ですこんにちわ。

am500_an014
西銀座で宝くじを買うだけで小遣いになる宝くじ代行

世の中色々な事を考える人がいるものです。   → ヤフオク

→もっと見る

  • せど楽チェッカー
  • せど楽
PAGE TOP ↑